さくらんぼの中でも最高峰の品種として、長年トップの座に君臨し続けている「佐藤錦」。では佐藤錦が長年愛され続ける理由とはどこにあるのでしょうか?今回は佐藤錦の味や旬、他の品種との違いなど知られざる魅力について詳しくご紹介いたします。
佐藤錦とは?

佐藤錦(さとうにしき)は、さくらんぼの中でも王様と称されている代表的な品種です。その理由は、味わいや色、つや、見た目どれをとっても非の打ち所がない、オールマイティな存在だからです。全ての部分に優れた佐藤錦は最高品種となるため、高級果物として取り扱われギフトとしても人気が高くなっています。
日本一栽培されているさくらんぼ
さくらんぼ栽培面積の日本1位の品種は佐藤錦です。2017年調べの資料では、佐藤錦の栽培面積は2,902haでシェア率61.75%です。ちなみに2位は北海道です。栽培面積は185.2haと、その差は歴然です。
由来
名前の由来は、山形県東根市の佐藤栄助さんが生み出したさくらんぼだったので、佐藤さんの姓を貰って佐藤錦と名付けたそうです。また味わいの特徴から「砂糖のように甘い」にちなんでいるともいわれています。
味
さくらんぼの王様と呼ばれている理由は、味を含めすべてにおいて秀でているからです。佐藤錦は、糖度が高く、奥深い甘味を感じられます。甘いだけではなく、さくらんぼ本来の酸味が、爽快な風味を運んでくれます。果汁も多く、上品な美味しさが楽しめます。
旬の時期
佐藤錦の旬は、ハウス栽培と露地栽培で異なります。ハウス栽培の場合、4月下旬から6月上旬頃がシーズンです。露地栽培の佐藤錦は、6月上旬から7月中旬に旬を迎えます。ただ、露地栽培の佐藤錦は、旬がたった2週間程度となります。
佐藤錦の産地は?

佐藤錦の主な産地は、さくらんぼの名産地として有名な山形県です。山形県は国内で生産されている佐藤錦のうち約86%ものシェアを誇り、毎年多くの佐藤錦を市場に届けています。そんな山形県の中でも、美味しい佐藤錦が栽培されている地域は、東根市です。佐藤錦をこの世に誕生させた佐藤栄助さんもこの地に住み、東根市で佐藤錦の品種改良を行っていました。
佐藤錦の値段は?
国産さくらんぼは高級なイメージがありますが、スーパーで販売されているさくらんぼは1粒あたり約20~30円です。スーパーではお手頃価格で購入できます。高級青果店やギフトで購入する場合は、1粒100円~300円の価格で販売されています。
佐藤錦はさくらんぼの王様
さくらんぼが高級品として市場に出回る理由は、とても手間がかかる果物だからです。6月中旬~7月頃に収穫を迎えるさくらんぼは、約半年ほど前の1月頃からさくらんぼを美味しくするための作業を始めます。木の剪定や余計な蕾落とし、受粉作業など。さくらんぼはとってもデリケートな果物ですので、雨風にあたらないように対策をします。大事に大事に育てられ、大粒で甘いさくらんぼができあがります。
佐藤錦の保存方法やおすすめの食べ方は?
佐藤錦を含めたさくらんぼは日持ちが悪い果物です。追熟することはなく、摘まれたその日が一番新鮮でおいしい状態です。食べられる分は、その日のうちにすぐ食べてください。保存する場合は、容器から出して乾燥からさくらんぼ守るために新聞紙などで包みます。常温で購入した場合は、冷暗所で保管してください。また、クール宅急便で届いた場合などは、すぐに冷蔵庫で保存してください。
さくらんぼは温度変化、結露や乾燥が苦手です。できるだけ温度変化を出さないように気を付けてください。
ポスト佐藤錦?紅秀峰と佐藤錦の違い

山形県で、佐藤錦に次ぐ生産量を誇る紅秀峰(べにしゅうほう)は、認知度が上がり人気を集めているさくらんぼの品種です。紅秀峰は佐藤錦より少し実が大きく、色は深みがある赤紫色です。糖度が高く20前後もあります。佐藤錦は日持ちが弱いのですが、紅秀峰は果肉が硬く日持ちに優れます。収穫時期は、佐藤錦がシーズンを終了する7月上旬~中旬頃です。
まとめ
さくらんぼの名産地、山形県でも佐藤錦が多く栽培されさくらんぼの王様の異名を獲得しているのには、しっかりとした理由がありました。もし佐藤錦を食べたことがない人は、ぜひ山形県産の佐藤錦を食べてその味を確かめてみてくださいね♪