甘くてみずみずしい味わいで人気の果物、桃。せっかく食べるなら、名産地の美味しい桃を味わってみたいですよね。そこで今回は、美味しい桃の産地について紹介します。美味しい桃が育つ条件や、産地ごとの人気品種も合わせて紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね♪
日本一の桃の産地は?生産量推移
桃の生産量日本一は、山梨県です。年間約3万トンもの桃を収穫しており、栽培面積も国内トップの広さを誇ります。
次いで2位は福島県、3位長野県、4位山形県の順に並びます。国内で生産されている桃は、この4県で全体の7割以上を占めています。各産地によって主力品種や旬の時期が異なり、6月下旬から9月頃にかけて、様々な桃が全国に出荷されています。
美味しい桃が育つ条件とは?
桃栽培には、気候や土壌などの自然条件が大きく影響します。桃の名産地ではそれらの条件が揃った環境を強みに、古くから桃栽培が盛んに行われてきました。
では美味しい桃が育つ条件とは、具体的にどのようなものなのか、詳しくみていきましょう!
雨が少なく日当たりが良い
しっかりと栄養を蓄えた、甘くて美味しい桃を育てるには、太陽の光が必要不可欠。また桃の甘みは水分で流れやすい性質のため、降水量が少ない地域ほど桃の糖度は上がりやすいといわれています。
桃の生産量1位の山梨県は、日照時間が長い県としても知られており、たっぷりと太陽の光を浴びた美味しい桃が育っています。
温暖で昼夜の気温差が大きい
桃は生育過程で寒暖差のある気候にさらされることで、果肉がぎゅっと引き締まり、甘みが凝縮するといわれています。
福島県や山形県は桃の産地の中でも北に位置し、夏でも涼しく昼夜の寒暖差が大きい気候です。この寒暖差が桃の実に糖分を蓄えさせ、本来の甘さを引き出しています。
水はけの良い土壌
桃の樹は湿気を嫌うため、水が溜まりやすく湿った土壌ではあまりよく育ちません。そのため桃栽培には水はけが良く、乾きやすい土壌が必要となります。
長野県を代表する桃の産地、川中島町は犀川南部に位置し、非常に水はけが良い自然土壌に恵まれています。
あの地域がなぜ?桃の名産地の秘密に迫る!
桃の名産地は恵まれた自然条件以外に、美味しい桃を育てるための栽培技術も持ち合わせています。
時期や品種ごとに工夫された栽培方法を導入し、毎年美味しい桃を市場に届けています。では各産地の、栽培方法の特長について詳しく見ていきましょう!
\ 人気ランキング /
※2024年7月のデータ【1位】山梨県の桃の特長
日本一の桃の産地、山梨県の農園では「大藤流仕立て」が主流。桃の剪定は2本の主枝を仕立てる「開心自然形」が最も一般的ですが、大藤流仕立ては4本の支枝を仕立てます。開心自然形より手間はかかりますが、若木でも高品質な実をたくさん付ける特長があります。
古くから桃栽培を盛んに行ってきた、山梨県ならではの栽培技術です。山梨県では広大な栽培面積と技術を生かし、時期ごとに品種リレーできる体制を整えています。そのため山梨県の桃はどの品種も良質で美味しいと評判です◎
【2位】福島県の桃の特長
日本一の桃好き県としても知られる福島県では、桃の実に袋掛けをしない無袋栽培が盛んに行われています。収穫される直前まで太陽の光をたっぷりと浴びた福島県の桃は、栄養や糖分をたっぷりと蓄え、美味しく育ちます。
また桃は市場に流通させるため完熟を待たず収穫されるのが一般的ですが、福島県ではじっくりと樹の上で熟した桃のみを収穫しています。そのため福島県産の桃は甘みが強く、大玉なものが多いです。
【3位】長野県の桃の特長
「信濃の桃源郷」と呼ばれる、桃の名産地、長野県。特に犀川の豊かな水と自然土壌に恵まれた川中島町は、桃の王様「川中島白桃」誕生の地としても有名です。
長野県では、桃栽培に適した風土や環境を存分に生かし、新品種の開発が盛んに行われてきました。絶え間ない開発努力によって、川中島白桃をはじめ「なつっこ」や「おどろき」など現在でも人気を集める主力品種を数多く誕生させています。
【4位】山形県の桃の特長
桃の産地の中で北限に位置する山形県では、寒暖差の大きな夏の気候を生かし、甘くて良質な桃を多く栽培しています。
年間を通して涼しく、桃の生育に時間がかかる分、他のどの産地よりじっくり育てられています。樹の上で完熟するまで大切に育てられた山形県産の桃は非常に糖度が高く、ジューシーな甘みを感じられますよ。
まとめ
今回は、美味しい桃の産地について紹介しました。
美味しい桃を育てるには、恵まれた自然条件と高い栽培技術が必要。古くから桃の栽培が盛んに行われている名産地では、環境を生かした栽培方法によって、美味しい桃がたくさん収穫されています。桃の季節には、名産地のこだわりが詰まった美味しい桃を、ぜひ味わってみてくださいね♪