洋梨といえば「ラフランス」をイメージする方も多いでしょう。ジューシーでとろけるような口当たりが特徴のラフランスは、多くの人を魅了する果物です。この記事では、ラフランスに含まれる栄養素とその働きについて解説します。ラフランスを日持ちさせるための適切な保存方法もご紹介しますので、旬のラフランスを美味しく食べるためにチェックしておきましょう!
ラフランスとは?
日本で人気の洋梨の品種の一つがラフランス。フランス原産のラフランスは明治36年に日本に導入され、ほどなくして山形県に入ってきたといわれています。
果樹栽培に適した気候や土壌を有する山形県はラフランス栽培にも適しており、今や生産量は全国トップです。
ラフランスは収穫後追熟期間をおき、11月頃〜12月頃市場に出回ります。見た目はゴツゴツとしていて緑色の皮に茶色の斑点(サビ)が入り、決してきれいであるとはいえないラフランスですが、食べてみるとその印象は見事に覆されます。果汁たっぷりのなめらかな口当たり、酸味と甘さのバランスの良さは食べる人を魅了する美味しさです。
ラフランスに含まれる栄養成分とその働き
ラフランスの魅力は美味しさだけではありません。体に必須のビタミンやミネラルが幅広く含まれているほか、健康に役立つ成分も含まれています。
ここではラフランスに含まれる主な栄養素などについて見ていきましょう。
昨年のラ・フランス人気ランキング
※2023年9月~11月売上データ食物繊維
ラフランスには食物繊維が含まれています。食物繊維は食べ物に含まれる栄養素のうち、ヒトの消化酵素で消化されないまま大腸に届く成分です。食物繊維を十分摂取することで、多くの有用性が確認されています。
食物繊維の作用としてまず挙げられるのは、便通を整える働きです。食物繊維を豊富に含む食品を摂取すると便のカサが増え、腸が刺激されます。これによって腸が活発に働くようになり、結果的には便秘の改善も期待できるでしょう。
その他、食物繊維には糖や脂質などを吸着し体外へ排出する作用もあるため、生活習慣病の予防効果も期待できるとされています。
カリウム
ラフランスには、体の調子を整えることに役立つ「ミネラル」の一種がカリウムが含まれています。カリウムは、同じくミネラルの一つであるナトリウムとともに体内の細胞内外の水分の出入りを調整したり神経伝達や筋肉の収縮に関わったりしています。
カリウムとナトリウムは互いに作用し合い働く栄養素です。そのため、カリウムには体内に増えすぎてしまったナトリウムを尿と一緒に体の外へ排出してくれる作用があります。
ナトリウムは主に食塩として摂取され、摂り過ぎると高血圧の原因やむくみを引き起こす要因となります。
カリウムを含むラフランスを摂取することは、高血圧や塩分の摂り過ぎからくるむくみの予防や改善が期待できるでしょう。
ソルビトール
ラフランスは、糖質の一種「糖アルコール」に分類される「ソルビトール」を含みます。ソルビトールをはじめとする糖アルコールは、消化・吸収されにくく低カロリーであることに加え、むし歯の原因となる「酸」をつくらないという特徴のある成分です。
ラフランスには天然のソルビトールが含まれますが、でんぷんなどから人工的につくられる人工甘味料としてのソルビトールも存在し、むし歯予防の食品(ガムや飴など)や歯磨き粉などに利用されています。
アスパラギン酸
アスパラギン酸は、たんぱく質を構成するアミノ酸の一つです。アスパラガスの芽から発見されたことからこの名がつけられました。
アスパラギン酸は、体内でエネルギーをつくり出す過程で必要とされるアミノ酸であるため、疲労を軽減させる効果があるといわれています。その他利尿作用によるデトックス効果や、肌のターンオーバーを促進する作用が期待できます。
アスパラギン酸は栄養ドリンクにも用いられる成分です。アスパラギン酸を補給できるラフランスを食べることで、栄養ドリンクなしでも元気な体を維持できるかもしれませんよ!
ポリフェノール
ラフランスにはカテキン類やクロロゲン酸といったポリフェノールが含まれています。
ポリフェノールは植物に含まれる苦味成分や色素成分で、体内を酸化させ老化の引き金となる活性酸素を取り除く作用のある「抗酸化物質」です。
最近の研究では、洋梨などの果物を摂取することで体重の増加を抑制したり、糖尿病や心疾患などの生活習慣病のリスクを低下させることが報告されています。
ラフランスの保存方法
ラフランスは、収穫してから一定期間置いて完熟させる「追熟」が必要。そのため完熟前か完熟後かで保存方法が異なります。
完熟前のものは常温で追熟させ、完熟後のものは冷蔵庫で保存します。
ラフランスをはじめ、洋梨は収穫してから一定期間置いて完熟させる「追熟」が必要な果物です。そのため洋梨の保存期間は、完熟前か完熟後かで異なります。
完熟前のラフランスの保存方法
状態にもよりますが、完熟前のラフランスは常温で1〜3日ほど美味しさを保てるでしょう。また追熟を遅らせることで保存期間を延ばせます。
新聞紙やペーパータオルなどでくるみ、さらにビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室など冷暗所で保存すると、状態にもよりますが3〜4週間ほど日持ちさせることも可能です。
逆に、早く完熟させたい場合は常温に置いておきましょう。
完熟後のラフランスの保存方法
完熟したラフランス梨はあまり日持ちしません。完熟後のラフランスは水分の蒸発を防止するため、新聞紙などでくるんでからビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。このように保存することで、美味しさを保ったまま3〜4日保存可能です。
まとめ
ラフランスには食物繊維やカリウム、ソルビトール、アスパラギン酸、ポリフェノールなど健康や美容への効果が期待できる成分が含まれています。旬の時期が来たら、ぜひ栄養たっぷりのラフランスを味わってくださいね。また、手に入れたラフランスを存分に堪能するには、適切な保存方法を見極めることも大切。保存のポイントを押さえて、最も美味しい瞬間を逃さないようにしましょう!