「完全栄養食」とも呼ばれ、体に嬉しい様々な効果をもたらしてくれる玄米。しかし、玄米には具体的にどんな栄養素が含まれていて、どんな効能があるのか詳しく知らないという人も多いはず。
そこで今回は、玄米に含まれる栄養素と効果について解説します。玄米の1日当たりの適量や、食べ方のポイントも合わせて紹介するので、玄米を美味しく食べながら健康を目指したい人はぜひ参考にしてくださいね◎
玄米に含まれる栄養素と効能
玄米とは、通常精米によって取り除かれる「外皮(ぬか)」や「胚芽」をあえて残したお米のことです。この外皮や胚芽には食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、精白米より効率よく栄養を摂取することができます◎
ここでは、そんな玄米に豊富に含まれる栄養素とその効能について詳しく見ていきましょう!
整腸作用などの効果が期待できる「食物繊維」
玄米は、一般的な精白米に比べ食物繊維が豊富です。食物繊維は食べ物に含まれる栄養素のうち、消化されずに大腸まで届く成分を指します。
食物繊維の主な働きは、便通を整えることです。十分に摂取することで便のカサが増え、腸を刺激し動きを活発化させます。このような作用から、食物繊維を十分摂取することで便秘の改善も期待できるでしょう。
また糖や脂質などを吸着し体外へ排出する作用もあるため、生活習慣病の予防効果も期待できるといわれています。
糖質の代謝に関わる「ビタミンB1」
ビタミンB1は糖質をエネルギーにつくり変えるときに欠かせない栄養素です。糖質やアルコールをたくさん摂取する際に、ビタミンB1の必要量が高まります。また、持久力が必要となる運動を行う場合も、エネルギー源となる糖質に加えビタミンB1の補給が重要であるといわれています。
ビタミンB1が不足すると糖質がエネルギーに変換されにくくなり、食欲不振や疲労の原因となる可能性があるため、体を健康に保つ重要な栄養素の一つといえます。
アミノ酸の代謝に欠かせない「ビタミンB6」
体内のさまざまな機能に関わる「酵素」を補助する働きをするのが、玄米に多く含まれるビタミンB6です。
ビタミンB6は、タンパク質を構成している「アミノ酸」の代謝に関与しているため、筋トレなどをしていてタンパク質の摂取量が多い人にとって特に重要な栄養素です。またタンパク質の代謝にも関わることから、ビタミンB6は皮膚や粘膜の健康維持にも役立つとされています。
骨の健康を維持に欠かせない「マグネシウム」
ミネラルの一種マグネシウムは、体の機能維持に必要な物質の合成を助けたり、骨の健康を保ったりする作用のある栄養素です。また体温や血圧の調節、神経伝達などの重要な機能にも深く関わっています。
お米のビタミンやミネラルは、食物繊維同様精米によって取り除かれる「外皮(ぬか)」の部分に多く含まれています。そのため精白米よりも、玄米のほうがビタミン・ミネラルを多く含んでいます。
血液中のヘモグロビンに存在する「鉄」
鉄は血液中の赤色の色素成分「ヘモグロビン」に多く存在するミネラルです。ヘモグロビンは体の各組織に酸素を運ぶ役割があります。
鉄が不足してヘモグロビンが十分につくられなくなると、体全体に酸素を行き渡らせることができなくなってしまいます。その結果生じるのが、集中力を欠いたり頭痛や食欲不振を引き起こしたりする「鉄欠乏性貧血」です。月経のある女性では特に鉄の必要量が高まるため、十分摂取しておきたい栄養素です。
玄米と白米の違い
白米より栄養素の含有量が多く、健康に良いとされている玄米ですが、カロリーや糖質量が気になるという人も多いですよね。
特にスリムアップを目指したい人にとって、どちらの方がダイエットにより効果的なのか知りたいはず。ここでは、玄米と白米のカロリーや糖質量、ダイエット効果の違いについて解説します。
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※2024年1~8月のデータ玄米と白米のカロリー・糖質
玄米と白米のカロリー・糖質を比較すると、以下の表のとおりになります。
お米の種類 | カロリー | 糖質量 |
---|---|---|
玄米 | 228kcal | 52.7g |
白米 | 234kcal | 57.2g |
お米150gは、お茶碗1杯分ほどの量です。お茶碗1杯あたりでは、玄米が228kcal、白米が234kcalと意外にも大きな差はありません。また糖質量についても、玄米が52.7g、白米が57gで、こちらもわずかな差しかないようです。
白米より豊富な栄養素を含んでいる玄米ですが、カロリーや糖質を見ると、あまりダイエットには向いていないように感じてしまいますね……。
玄米と白米はどちらがダイエット向き?
玄米は白米と大差ないほどのカロリーや糖質を含んでいますが、実はダイエットにピッタリな食材なんです!その理由は、玄米のGI値の低さにあります。GI値とは、食後の血糖値の上昇度合いを示す指標です。GI値が低いほど血糖値の上昇は緩やかで、脂肪が蓄積されにくいとされています。玄米のGI値は約55で、白米は約80となっており、その差は歴然です。
また玄米は低GI食品であることに加え、白米より食物繊維を5倍近く含んでいるため、糖として吸収されにくく、良質なエネルギー源となります。日常的に運動を取り入れている人にとって、体にゆっくりと吸収される玄米の糖質は、活動レベルの向上に役立ちますよ◎
玄米と白米の違いについては、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください♪
玄米の摂取量の目安と食べ過ぎによる影響
栄養豊富でダイエットにも効果的な玄米ですが、食べ過ぎは禁物です。玄米に限らず、どんな食材もそればかり食べると栄養が偏ってしまい、健康を害する可能性があります。
ここでは、玄米の1日あたりの目安量と、食べ過ぎによる影響について詳しく見ていきましょう!
1日に食べる玄米の目安
玄米の適量は、白米と同じ量を基準にして良いとされています。
厚生労働省の「食事バランスガイド」によると、お米の摂取量の目安は1食あたり成人女性でおよそ165~235gほど、成人男性で200~265gほどとなっています。つまり、3食に全てにお米を取り入れるなら、成人女性は500~700g程度、成人男性は600~800g程度が1日のお米の適量ということになります。
しかしお米の適量には個人差があり、上記はウォーキングなどの軽い運動を1日数時間ほど行う人の目安となります。間食や他の主食を取り入れる場合も、お米の適量は変動するので、1日の食事から摂るカロリーや糖質のバランスを見て調整するのが良いでしょう◎
食べ過ぎると・・・?!
適量であれば、効率よく栄養を摂取でき、ダイエットにも効果を発揮してくれる玄米ですが、白米と同じくらいのカロリー・糖質が含まれています。糖質の摂りすぎは肥満や生活習慣病の原因となるため、食べ過ぎないよう注意しましょう。
また玄米には食物繊維が豊富に含まれているため、食べ過ぎると胃や腸に負担がかかってしまう可能性があります。体質的に胃が弱い人や、お腹の調子が悪いときは特に、玄米の食べ過ぎに注意してください。
玄米の健康効果を最大限に活かす食べ方のポイント
玄米の健康効果を最大限に生かすためには、適量を守ることに加え、食べ方のポイントをおさえることが大切です◎
ここでは、玄米を美味しく健康的に食べるポイントを紹介します。これから玄米食に挑戦しようと思っている人は、ぜひ実践してみてください!
よく噛んで食べる
玄米の栄養を効率よく取り入れるポイントは、よく噛んで食べることです。食物繊維の多い玄米は、よく噛まないと十分消化されない可能性があり、特に胃腸が弱い方などには負担となってしまう可能性もあります。
またしっかり消化されなければ、せっかくの豊富な栄養素も体内への吸収が不十分になってしまいます。玄米を食べる際は、よく噛んで食べることを意識してみてくださいね。
動物性タンパク質やビタミンCと一緒に摂る
玄米には鉄が含まれていますが、玄米の鉄は「非ヘム鉄」です。食品に含まれる鉄には、肉や魚などに含まれる吸収率の高い「ヘム鉄」と植物性食品に含まれる吸収のあまり良くない「非ヘム鉄」があります。玄米に含まれるのは非ヘム鉄ですが、動物性タンパク質やビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が高まります。
玄米の鉄を効率よく取り入れるには、肉や魚、卵などの動物性タンパク質のおかずや、ビタミンCの豊富な野菜サラダなどを組み合わせて食べると良いでしょう。
発芽玄米は味や香りの違和感が少なく食べやすい
玄米を食べたいけれど、特有の香りが気になったり炊飯時の手間が面倒に感じたりしている方もいらっしゃるかもしれませんね。そのような方は、玄米を少しだけ発芽させた「発芽玄米」を利用してみましょう。
発芽玄米は白米と同じように炊飯でき、味もほとんど変わりません。初めての方は、まず発芽玄米から始めてみるのもおすすめですよ。
こちらの記事では、玄米と白米の違いや美味しい玄米の炊き方について紹介しています!毎日の食事に玄米を美味しく取り入れたい人はぜひチェックしてくださいね♪
玄米を食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!