カート

ログイン

会員登録

検索

メニュー

閉じる

ラフランスの栽培は日本だけ?祖国での絶滅から日本で栽培されるようになった経緯を解説!

ラフランスの栽培は日本だけ?祖国での絶滅から日本で栽培されるようになった経緯を解説!

ラフランスは西洋梨の一種で、実は日本だけで栽培されています。甘みと酸味のバランスが良く、滑らかでジューシーな食感が魅力的ですが、なぜ日本でしか栽培されていないのでしょうか?

この記事では、意外と知らないラフランスの栽培の歴史について紹介します。祖国であるフランスで絶滅してしまった経緯や、日本だけで栽培されている理由を詳しく解説するので、気になる人はぜひ最後までチェックしてくださいね◎

ラフランスが日本だけで栽培されているのはなぜ?

洋梨といえば、ラフランスをまず1番に思い浮かべる人が多いかと思いますが、実はラフランスは日本だけで栽培されている珍しい果物です。

ここでは、なぜラフランスが日本だけで栽培されているのか、歴史の背景や理由について解説します。

ラフランスの原産地はフランス

ラフランスとは、その名の通りフランスで生まれた果物です。1864年にフランスで発見されたラフランス。あまりの美味しさに「我が国を代表するにふさわしい果物だ」と讃えられ「ラフランス」と名づけられました。

しかし、ラフランスは他の果物に比べて雨風の影響を受けやすく、病気になりやすい繊細な果物です。加えてフランスの気候はラフランスの栽培に適しておらず、安定して収穫することが困難でした。そのため、フランスでのラフランス栽培は1900年初頭には終了してしまったのです。

絶滅寸前に日本に苗が持ち込まれた

祖国であるフランスでラフランスが絶滅する直前の1903年(明治36年)、ラフランスの苗が日本にやってきたといわれています。寒冷で湿度の高い場所を好むラフランスは、日本での栽培に適していました。

しかし、当時は和梨の栽培が主流で西洋梨に馴染みのない日本では、繊細で和梨とは全く異なる西洋梨の特性に戸惑い、栽培は困難を極めました。その後、1909年(明治42年)頃から西洋梨の一種である「バーレット」の缶詰生産が盛んになり、バーレットと相性の良いラフランスを受粉樹として栽培するようになりました。

これらの歴史を経て、日本でラフランスが生食用として栽培されるようになったのは昭和60年代に入ってから。日本にはじめて苗が持ち込まれてから、約100年ほど経過した頃でした。特に、山形県で盛んに栽培されるようになり、現在では国内生産量のうち7割近くを占めるラフランスの名産地となっています。

山形県でラフランスが盛んに栽培される理由

日本における、ラフランスを含む西洋梨の収穫量ランキングは以下の通りです。

都道府県 生産量 シェア率
山形県 1万8,200t 68%
新潟県 2,110t 8%
青森県 1,870t 7%

山形県は、日本一の生産量を誇る西洋梨の名産地です。生産量2位の新潟県や3位の青森県と比較してもその差は歴然で、長年トップを維持し続けています。

山形県で西洋梨の栽培が盛んに行われている理由は、その気候にあります。周囲を高い山々で囲まれた山形県の地形は盆地になっており、昼夜の寒暖差が激しい独特の気候をしています。この気候がラフランスなどの西洋梨の栽培に適しており、糖度が高く大きな実に育つのです。

また、ラフランスの生育に重要な梅雨の時期に雨が少ないこと、周囲の山によって台風による被害が抑えられている点も、山形県で西洋梨がよく育つ理由の一つです。雨風の影響を受けやすいラフランスにとって、山形県の気候はまさにうってつけだったのです。

ラフランスの旬と販売開始基準日とは?

ラフランスの旬の時期は、10月から12月頃にかけて。名産地でもある山形県では、11月頃に出荷の最盛期を迎えます。旬を迎えたラフランスは、まろやかな甘みと爽やかな酸味の両方を感じられ、果肉は緻密で果汁をたっぷりと蓄えています。また、ラフランスは西洋梨の中でも香りが特に良く、その甘い芳香と上品な味わいから、「果物の女王」とも呼ばれています。

秋に旬を迎えるラフランスには、他の果物には滅多にない「販売開始基準日」が設けられています。販売基準日とは、ラフランスが出荷を開始する日程のことです。ラフランスの生育状態などから計算され、例年10月下旬ごろに設定されているようです。ちなみに、令和4年度の販売基準日は10月25日でした。

ラフランスに販売基準日が設けられている理由は、最も美味しい状態で出荷するためです。収穫直後のラフランスは、冷蔵庫で追熟やエチレン処理が必要な果物。収穫してから処置が完了するまでの期間を計算して、販売基準日が決められているのです。

販売基準日は、ベストな状態で消費者に届けられるように厳密に計算して決められています。美味しいラフランスが食べられるのは、多くの方々の知恵と努力があるからかもしれませんね。

ラフランスと洋梨の違いとは?

ラフランスは、洋梨の数ある品種の中のひとつです。ラフランスと洋梨は、同じものだと考えている方もいるかもしれませんが、厳密には少し意味が異なります。

梨は、「和梨」「洋梨」「中国梨」という3つの種類にカテゴライズされます。和梨には「幸水」「豊水」などの品種が、中国梨には「慈梨(ツーリー)」「鴨梨(ヤーリー)」などの品種があります。洋梨には「ラフランス」「ルレクチェ」などの品種があるのです。

このことからも分かるように、ラフランスは洋梨全般を指すわけではありません。ラフランスは、洋梨の品種のひとつなのです。

ラフランスの食べ頃は?

収穫したばかりのラフランスはまだ熟しておらず、常温で追熟させる必要があります。しかしラフランスは、完熟しても見た目の変化が少ない果物です。そのため、食べ頃の見極め方が難しいといわれています。

そんなラフランスの食べ頃を見極めるコツを3つ紹介します。

  • 軸の周りにシワができる
  • 甘い香りが強くなる
  • お尻の部分が黄色になる

ラフランスは完熟が近づくと、軸の周りにシワができます。皮にシワができ、シナシナとしてきたら食べ頃です。また、ラフランス特有の芳醇な香りが強くなっていれば、完熟のサインです。購入したときとの香りの違いもチェックすると、より食べ頃の状態で味わうことができるでしょう。

完熟してもあまり果皮の色に変化がないラフランスですが、お尻の部分には若干の色の変化が見られます。ラフランスをひっくり返して、お尻の部分に注目しましょう。緑色の果皮が黄色っぽくなり、所々茶色になっていたら食べ頃です。

まとめ

今回は、ラフランスが日本だけで栽培される理由について解説しました。ラフランスは洋梨の一種で、その名前からも海外で盛んに栽培されていそうですが、現在では日本だけで栽培されています。上品な甘さと梨らしい爽やかな酸味、ジューシーな果肉が特徴で、主に山形県で栽培されています。

毎年秋に旬を迎えるラフランス。毎年10月下旬頃から販売開始となるので、ぜひ手に取ってその魅力を存分に堪能してみてください◎

ラフランスの一大産地である山形県に拠点を置くJAさがえ西村山では、県内で採れた甘くて美味しいラフランスを旬の時期に合わせてお届けしています。名産地で育った旬のラフランスは、ご家庭用はもちろん、ご近所さんへのちょっとした贈り物や、お呼ばれされた際の手土産にぴったりな一品です。気になる人は、ぜひJAさがえ西村山の公式サイトをチェックしてくださいね!